タコ部屋で自我に目覚めたイケメンは、キルギスタンでVR瞑想して暮らしたい!(前編)【たらい回し人生相談】
【たらい回し人生相談】〜ヤバいやつがもっとヤバいやつに訊く〜 連載第7回
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
今回紹介するYくんは、そんなタコ部屋の出身者だ。前回紹介したNくんの元同僚であり、あああああああああああああああああああああああああああああああああああああそんな来歴を聞くと、金融マンガでひどい目にあうキャラのような風貌を思い浮かべるだろうが、実際のYくんはスンナリした顔立ちに明るい髪色、涼しげな眼をした美丈夫である。なんかファイナルファンタジーっぽい顔をしている。
そんなYくんの人生相談内容は「キルギスタンでVR瞑想して暮らそうと思うんですよね」というもの。まともなやつがいねえなあ。まあ、まともなやつは大司教に人生相談なんかしないですからね。
■登場人物:
Yくん:わりとイケメン。女性読者のために少し説明しておくとキツネ系。タコ部屋に入り極限状態まで酷使されていたら、自我に目覚めて人生で初めて怒ったとのこと。その経験を機に、自分の感情の存在に気づき、キルギスタンで瞑想する人生を送りたいと望み始めた。わけがわからない。
大司教:別にイケメンではない。でも太ってる人がモテる地域だとめっちゃモテそうな気もする。そういう顔あるじゃないですか。酋長っぽい顔というか……。前述のタコ部屋とは直接のかかわりはないが、同じビルにいたので経緯そのものはずっと横で見ており「なんで逃げないのかな」と不思議がりながら毛布を差し入れたりしていた。基本的に当人が助けを求めないと何もしないのが大司教STYLEだ。
さてインタビュー当日。驚くべきことに、Yくんはすんなり会場となる編集部に現れた。インタビュイーが道に迷ったりせず開始できたのは当連載初となる。まさか時間通りに現れるとは。これだけでもYくんがこれまでの取材対象と違うのは明らかだ。筆者としても早く帰れそうで助かりますホント。話し方も明瞭で記事に起こしやすいし、今回は愚痴は書かずに済みそうだ。
相談内容はぶっ飛んでいるとはいえ、Yくんはこれまでの相談者たちに比べると明らかに「普通度」は高い印象を受けた。そのぶん筆者としては、インパクトが強いエピソードが本当に出てくるのか? と少し不安も覚えた。書くことがないでは困る。大司教は、そんな筆者の不安を見越したのか、にたにたと昼の月のように笑っている。
■留学生の顔をした「何者か」:
筆者:というか今回、私は何も打ち合わせとか説明を受けてないのですが……。
大司教:してませんからね。
筆者:ノープランってことですか。(注1)
大司教:そうですね。とりあえず説明からはじめます。我々が会ったのは五年前ぐらいです。中田考先生のところにシュッと現れた若者って感じで知り合ったんですね。そんなわけでお互いをよく知ってはいますが、記事にするにあたって君が簡単にどういう人物なのかってことを示したいですね。
Yくん:ざっくり言うと学生ってことになるはずなんですけどね。
大司教:はい。表面的にはこの企画でインタビューされるような人物には見えないわけです。しかし細かく見ると、怪しいところがボロボロ出てくる。初めてあったころから君は怪しい男でした。
Yくん:とりあえず略歴みたいなものについて話せばいいですかね?
大司教:そうしてください。
Yくん:高校までは日本で普通に暮らしてたんですけど、留学プログラムで中国の大学に行って、いろいろな国をうろついていたんですよ。大学院も中国です。日本に戻ってきたのは一時帰国のつもりだったんですけど、丁度そのタイミングでコロナが発生して、中国に戻れなくなったんです。ああああああああああああああああああああああああ
筆者:前回の話でも出てきた例のタコ部屋ですね。
Yくん:そうですね。
大司教:それだけ聞くと、留学中の優秀な学生が運悪くコロナに巻き込まれ、ライフプランが狂って、その結果ああああああああああああああああああああああって話になるわけですが。
筆者:まあそうなりますね。(注2)
大司教:そんなつまらない人間ならここには呼びません。Yくんは細かく見るととにかく怪しいんです。中国ほか複数の国で、日本で言う半グレや反社みたいな人たちとつるんでいて人脈を構築している。ただの留学生とは思えないぐらい、いわゆる不良外国人みたいな連中と関わっているわけです。
注1:困る。 注2:この時点では筆者はまだ『大司教さんよォ、こんな「ちゃんとした」人で「記事」作れんのかよォ』などと思っていた。作れました。